製作作品

雛人形

雛人形

ひなまつりは平安時代に貴族の間で始まったとされています。
当時、お人形遊びのことは「ひいな遊び」と呼ばれていました。
また、その頃三月の始めの巳の日に、無病息災を願っておはらいする
「上巳の節句」が行われていました。
この日には紙や草木で作った簡素な人形(形代)に
お酒や供物を添えて、自分の身代わりとして川や海に流しました。
それらが江戸時代になって、今の様な「ひなまつり」になったと考えられています。
ももの節句におひなさまを飾り、子どものすこやかな成長を願うという、
日本のすばらしい伝統文化を後世に伝えたいものです。

雛人形 製作職人

分業による製作

分業画像
おひなさまは分業によって作られています。頭師、髪付師、手足師、小道具師などの職人がおり、「人形工房松寿」はその中にあって、お人形に衣裳を着せ付ける「人形着付師」です。またデザイナーを中心に商品の企画を行い、衣裳の素材・色・加工方法・形などを決定し各職に指示をし、まとめていくプロデューサー的な役割を担っています。当工房の持つ「感性」、品質の高い「素材」、長年培われた「熟練の技術」の結集が「人形工房松寿」の特徴です。各分業の代表者をご紹介します。

頭師

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    京人形頭師 京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)
    藤澤 瑞馨Suikei Fujisawa
    京都に生まれ育ち、京人形にあこがれ、21歳の時、京人形頭師の最高峰二代目川瀬猪山氏に入門。 京都の伝統技法を学ぶ。京都らしい雅ひな作風は高く評価され、「光源氏と紫上」をはじめ徳川家の雛の復元、京都府工芸技術コンクールでは優勝、及び佳賞を数多く受賞。 現在、雛人形、御所人形、その他京人形頭の創作を中心に活動している。
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    人形頭師
    市川 伯英Hakuei Ichikawa
    大学卒業後、家業の人形製作所に入社し、人形の新作、開発担当を担う。 頭師である兄より頭の製作技術を学び、平成9年に頭師として独立。 原型を作り、面相仕上げなど研鑚をつみ、個展と現代を調和させて優美な作風を確立。 現在、雛人形、市松人形を中心に製作活動に励む。
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    髪付師

    京人形頭師 京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)
    井上 正幸Masayuki Inoue
    27歳の頃、京人形髪付師「故 井上久男(勲六等 瑞宝章受章、現代の名工受賞など)井上隆氏(現代の名工受賞など)両氏に師事する。 翌年、井上隆氏の長女と結婚し、京人形髪付師「井上」の三代目となる。 2003年には経済産業大臣指定伝統的工芸品伝統工芸士を取得する。現在、雛人形、日本人形の髪付を中心に制作を行っている。
  • 手足師画像

    手足師

    京人形手足師 伝統的工芸品伝統工芸士
    澤野 正Tadashi Sawano
    澤野家は頭師で著名な川瀬猪山の流れを汲む作家一族で、古くは人形頭も製作していたが 現在は桐手足を専業としている。正氏は実父である「澤野公一氏」に師事したが、早くに逝去した為、100年前と同じ製法を堅持しつつ、ほぼ独学で現在の製品を完成させた。 京人形手足師は正氏しかおらず、氏の技術は大変貴重なものとなっている。
  • 小道具師画像

    小道具師

    京人形道具師
    工藤 史桜Shiou Kudou
    古くから京人形の小道具を有職故実に基づき作り続けていた二代目「西澤華英」師に師事。 平成6年に独立し雅号「史桜」を命名。氏は冠や纓、檜扇(ひおうぎ)をはじめ人形装飾品を 専門に作る職人として今や唯一の存在となっている。

松寿4つのこだわり

  • 1.桐木胴(きりもくどう)

    松寿の雛人形は、防虫効果のある樟(くすのき・・・樟脳の原料)をはさんだ「桐木胴」を使用しています(写真①)中心に藺草(いぐさ)を使い安定感のある太串の頭に対応しています(写真②)胴の型部分には針金を埋め込み人形そのものの型崩れを防止しています(写真③)ウレタン胴は虫がつかず長年経っても型が崩れず樟脳などから発生する溶解の心配がないことから、胸元や足元に使用しています。【特許 第4389193号】
    • 桐木胴(きりもくどう画像1
    • 桐木胴(きりもくどう画像2
  • 2.絵羽あわせ(えばあわせ)

    絵羽あわせとは着物の柄合わせのことをいいます。松寿では殿の胸元の柄を合わせて裁断し、仕立てています。生地の用尺(必要m数)もその分余計にかかりますが、装束の柄の美しさをを効果的に演出します。
    • 絵羽あわせ(えばあわせ)画像1
    • 絵羽あわせ(えばあわせ)画像2
  • 3.丁寧な縫製

    製品になった時の仕上がりが、いかにきれいに見えるかを常に考え、裁断した生地を一つ一つ丁寧に縫製しています。※人形一対でこれだけの生地を用意します。
    • 丁寧な縫製画像1
    • 丁寧な縫製画像2
  • 4.バランスの取れた着付け

    着付けで殿は「風格・威厳」、姫は女性らしい「やさしさ」を表現します。頭の挿し方、腕折り(かいなおり)など、長年培われた技術と感性によってなされるものであり、その全てが揃っているのが松寿の「ひな人形」です。

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